「いやいやお父さん こんな可愛い孫は他におらんでしょ」
旨そうに焼酎を煽りながら 薩摩隼人の爺がつぶやく
「ホントにね~ 愛嬌のある表情してますね
それに顏下半分はお父さんにそっくりだぁ~(笑)」
好奇心旺盛に高速ハイハイと捕まり立ちを繰り返し
二人の婆と若い叔母とパパママを振り回す孫を眺めながら
こちらも気分よくグラスを飲み干してにこやかに応える
「いやいや似てないでしょ~そんな似てますかぁ?(嬉)」
「とにかくよその孫とは比べものにならんですよ
よその孫なんか見る必要ないですわ ワッハッハッハ!」
頬を紅く染め 初孫あるあるを素直に連発する薩摩隼人
「・・・(汗)」
少しだけ先輩爺である私のニコやかな笑顔は
少しずつ苦笑いに変わって行くのだった…(;^_^A
二ヶ月ほど前、東京に住む長男夫婦の子ども、要するに私らの孫が一歳になるので「一升餅」のお祝いを、この7月4日に両家の親と同じ東京で働く妹も呼んでみんなでやりたいから来て欲しいと長男から連絡をもらいました。
私らにとっては久しぶりに孫に会えるだけでも嬉しいことなので、二つ返事で喜んで行かせてもらうと返事をしましたが、ちょうどこの7月上旬は、一年のうちで私の仕事に最も余裕がある時期ということもあったので、どうせ東京に行くならそのまま東北にでも旅行しようかなんて話が盛り上がり、あれやこれやと準備を進めるうちに、結局JR東日本大人の休日倶楽部で行く、東京~青森~宮城3泊4日のオリジナル旅行プランが出来上がってしまいました。
余談ですが、JR大人の休日倶楽部の4日間フリーパス一人15,000円というのはかなりお得です。何しろこのパスがあればJR東日本の電車なら新幹線から在来線まで全線すべて4日間乗り放題、おまけにこの料金のままで6席まで指定席も取ることができます。
私らもこれをフルに活用して、松本~新宿の特急あずさから、東京~青森~仙台~大宮~長野の東北、北陸新幹線の4席、そして長野~松本の特急しなのまで、すべて指定席を確保して快適スムーズに移動することができました。
因みに今回と同じJR乗車券を指定席まで含めて個々に購入すると、一人55,000円余りなるのでそのお得感は相当なものです。
さて、話があっちこっち飛んで恐縮ですが、東京での孫の一升餅のお祝いは、鹿児島から上京した長男の嫁のご両親と一年ぶりの再会ということもあり、孫を囲んでそれはそれは楽しい宴となりました。
先方のご両親にとっては初孫の男の子、しかも薩摩隼人の父上にその風貌がよく似ているので、初めて爺となった父上にとっては、まさしく目に入れても痛くないという愛おしさが言動に溢れ出る幸せなお姿。
その姿が可愛いくらいに微笑ましく、拝見している私らが何とも言えぬ幸せな気分にさせてもらいました。
そして故郷を離れ、知り合いも少ない都会の真ん中で我が子の育児に奮闘する長男の嫁は、仕事で帰りの遅い夫の食事はもちろん、離乳食が始まったばかりの我が子にも毎日欠かさず手作りの食事を作っていると聞き、結婚する前に彼女が自ら言っていた、二人の母親を見習って家族には毎日手料理を食べさせるという約束をちゃんと守ってくれていることを知り、皆が笑顔で頑張って暮らしていることを実感しながら、旨い酒と料理、さらに底抜けに可愛い孫の仕草を肴に、私ら夫婦は時間を忘れ夢心地で酔わせてもらいました。
そんな長男の嫁を実の姉のように慕う娘も、初めての可愛い甥っ子にメロメロで、大好きな酒もほどほどに動き回る甥っ子の後を追っかけ回し、一体何枚撮るんだよと言いたくなるほどのショットを満足そうにスマホに収めていました。
娘は高校を卒業して東京に出てからまったく放ったらかしで好きにやらせてますが、家族を大切に思い、子どもが大好きな魅力ある女性に成長してくれています。
そんな一人暮らしの娘をいつも気遣ってくれる長男の嫁は、三年前の両家顔合わせの席にも娘を誘ってくれ、以来何かあると必ず娘も一緒にと声をかけてくれます。
さすがに顔合わせの席では鹿児島のご両親に失礼ではないかと娘の同席を懸念したものですが、ご両親はそんなことはお構いなしに快く迎え入れて下さり、私が酒豪の長男の嫁ととても気が合うように、今では先方のお父さんと冗談を言い合えるほど仲良くなって、それこそ友達のように可愛がってもらっています。
子どもに育てられながら少しずつ親になっている長男夫婦、休みも不規則な忙しい仕事に自分なりのやりがいを持って生き生きと暮らす長女、そして大らかで優しいフィーリングドンピシャの鹿児島のご両親、一年に一度の至福のときは、孫の一挙手一投足に大爆笑が渦巻く中でアッという間に過ぎ去って行きました。
こんな素敵な家族の輪を広げてくれた長男夫婦に心から感謝しています。
さて、日付は変わりいよいよ東北への旅が始まります。
此度の東北旅行で私らがなぜ行き先を青森と宮城にしたのか…
それはフェースブックの繋がりがもたらした素敵な縁に起因します。
私は三年ほど前からSNSのFB(フェースブック)を友人とのコミュニケーションや身近な話題の情報収集、また性別、年齢、仕事、居住地などを問わない心ある方々との出会いのきっかけとして活用してます。
現在FBで繋がっている友達は180人あまり、うち頻繁に交信しているのは50~60人程度と決して多くはありませんが、意味もなくだれかれ構わず繋がろうなどと最初から思っていませんし、孫を三人も持つ熟年サラリーマンの私にとって、友達の皆さんに失礼のないコミュニケーションを保つにはこのくらいが適当かなと思ってます。
そんなFBで繋がった友達の中に、青森と宮城に暮らすお二人の君がいました。
そもそも東北と言っても、私も家内も二十歳そこそこの頃にそれぞれ仙台に一度だけ行ったことがあるだけだったので、ネットやガイドブックなんかに頼って観光客向けの企画や施設に乗っかるよりも、せっかく現地に知り合いが居るんだから、その君達の住む地を訪ねてみようと迷うことなく決めたのです。
そしてFBからその旨のお願いをメッセージしてみると、お二人とも即答で快諾。
こうして今回の東北旅行の行き先はそのお二方が住む青森と宮城になったのでした。
その東北珍道中は次回…お楽しみに!
「ホントに東京から3時間で青森に着いちゃうの?」
「そう書いてあるから そうなんだろうね」
「はやいね・・・」 「・・・そうだね」
生粋の田舎者は初めて見る東北新幹線に圧倒されながら
時速300キロの『はやぶさ11号』に乗り込むのであった
~To be continued
next week~
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