2013年11月30日

お疲れさま

平成4年5月6日 川崎会計は現在の場所に事務所を構えた

そして その年の4月から彼女は我々の仲間になった

あれから21年半 彼女は総務担当として誠実に勤め上げ

この11月末をもって 円満退職することとなった

その長年の功労に対し この場を借りて改めて御礼を言いたい

「長い間お疲れさまでした 君の事務所に対する多大なる貢献に
心から感謝します 本当にありがとう!」


ウチの事務所の女性職員で20年以上勤務したのは、所長の奥方を除いては後にも先にも彼女が初めてです。所長代理をさせていただいている私は総務課長も兼任しているので、直属の部下として彼女を21年間見てきました。

彼女は入社当初、人前で話をすることもできないほど非常におとなしい性格で、そんな消極的な姿勢が仕事に向いたときは、私が度々厳しい指摘をして何度も泣かしてきたものです。

私は仕事の上では男性だからとか女性だからという区別はしないので、これまで若い女性職員に対しても、言うべきことは遠慮なく言ってきました。

従って、もちろん根は優しい男?(笑)ですが、職場で部下の女性が泣こうがわめこうがまったく気にはしません。というより、それが彼女らの教育を任された私の使命だと捉えていたので、敢えて厳しい態度で指導してきたつもりです。

ただ、私が厳しく指摘してきたことは、そのほとんどが挨拶、掃除、電話応対、接客、時間厳守などのビジネスマナーに関するもので、気持ちとしては、仮に彼女らがウチの事務所を離れて他の職場に行ったとしても、社会人としてどこでも通用する人間になって欲しいという願いからです。

ですから私は、ご実家から通う新卒の女性職員に対して先ず初めに必ず言うことは「明日から30分早く起きて自分でお弁当を作ってきなさい」でした。

今思い返してみても、これまで勤務した女性職員のほとんどが、一度は私に泣かされたことがあると記憶していますが、その中でも涙した回数が一番多かったのは件の彼女ではなかったかと思います。


そんな新人の時代を過ぎた頃、仕事の段取りに関して私がした指摘に対し、彼女が私に放った言葉を今も鮮明に覚えていますが、ある意味これがその後の彼女の仕事に対する姿勢を作り上げてきたきっかけになったのではないかと思います。

「それは吉田さんが優秀だからできるんですよ。私みたいな能力のない人間には無理です!」

半ばキレ気味で言い放ったと思いますが、私は彼女にこう返しました。

「そう思ってるんだったらどうすればそんな自分でもできるのか、その方法を自分で考えて実践していくのが仕事ってもんだろう」


それからです。彼女は誰に指示されたわけではなく、自分が担当する重要な業務の一つ一つに自ら作成したチェックリストを設定し、そのリストをチェックしながら仕事を進めることで、ミスや漏れがないように仕事を仕上げるようにしました。

私がそんな彼女の姿勢にいたく感心したのは、自分が任された主幹業務に対する他の職員からの指摘や提案事項を、彼女は独自に用意した専用の大学ノートに書き留めるようになり、その上で彼女が自ら設定したチェックリストにその項目を追加するなどして、何年にも亘って各チェックリストを更新し続けてきたことです。

これが彼女の仕事のスタイルとして定着し、彼女のノートは膨大な量のマニュアルとなり、更新してきた数々のチェックリストは、今や総務課の財産となりました。

そして、20年を経たとき、全員が認めるその責任感の強さは彼女の人間としての大きな魅力となり、私たちにとっては事務所の縁の下の力持ちとして無くてはならない存在となっていたのです。


ここ二~三ヶ月、彼女が長年実施してきた総務課の月間業務の引き継ぎを受けてきましたが、こんな煩わしい細かい業務を彼女一人で担ってきたのかと、恥ずかしながら先のチェックリストの存在と併せ、今さらながらに驚いてしまいました。

ここまで仕事が分かっている20年選手が居なくなるのは、事務所にとって、中でも私にとっては正直本当に痛いことですが、彼女にとっては初めての出産を控えての此度の退職です。

これからは一人の母として、家庭で自身と家族の幸せを掴んでくれることを心から願い、そして応援していきたいと思います。



最後にもう一言

「ワタシが20年も教育してきた君なんだから

絶対幸せになれるはず(^_-)b

長い間 本当にお疲れさま!」