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2014年10月5日

ジンギスカンは高級料理?

「季節もいいし 久々に庭でバーベキューでもやるか!」

「賛成!!」

9月半ばの連休 遅い夏休みを取った子どもたちが帰省し
正月以来の勢揃い 全員一致で久々のBBQ大会が始まった

「この肉 ホント美味いね~~!」

「おお このカルビとハラミ 最高だろ?
事務所のお客さんがやってる肉屋さんのだよ」

「へ~ そうなんだ」

彼らが小さい頃はしょっちゅうやってたから
懐かしいのか皆ハイテンションで楽しんだ

「やっぱ実家はいいなぁ 向こうにいたら
こんな美味い肉食えねぇもんな~」

今年6月に生まれたばかりの息子を抱っこひもで
胸に抱えながら肉を頬張っていた長男がボヤいた

「ウチなんかこんな高い肉とても買えない
せいぜいジンギスカン辺りがいいとこだよ」

ビールを煽りながら長男が続ける

「おいおい 今やジンギスカンも安くないぞ」

「えっ!そうなの? そう言えば最近食ってないな…」

「何だそれ(笑) まあ今や羊は豚を超えて
牛と並ぶほどの値段になってるみたいだよ」

「うっそ! なんで?」

「おい新米パパさん 新聞くらい読みなさい」

「・・・」

今年4月に消費税率が8%に上がり、電気代やら様々な公共料金が値上がりする一方で、食肉や野菜などの食品の値上がりも家計に大きな影響を及ぼしています。

そんな中、ジンギスカンという名で我々庶民の食卓の味方だったはずの羊肉の輸入価格が、1~2年前から高騰し続けているというニュースがやはり今年の春先から話題になりました。


日本では、消費するマトンやラムといった羊肉の80%以上をオーストラリアからの輸入に頼ってきたそうですが、そのオーストラリアでは数年前から異常気象による干ばつに見舞われ、ただでさえ羊肉の生産量が減少していたところに、ここ数年中国の羊肉消費量が急増しており、オーストラリアから中国への羊肉輸出量が激増し、品薄になっていることが大きな要因と言われています。

中国では、ほんの10年ほど前まで比較的安い羊肉の消費が多かったそうですが、近年の経済成長によって嗜好が高級化し、日本のジンギスカンに使われる生後1年未満のラムや成長したマトンの肩肉などの消費量が増え、日本と羊肉の需要が重なってきたことも高騰の背景にあると報じられています。

極端に言えば、これまで1億3千万人で分け合っていたジンギスカンを、13億人以上で分け合わなければいけなくなったということなので、それは価格が高騰するのも無理はないという訳です。

事実、今年8月のオーストラリア産羊肉の1㎏当たり輸入価格は1,074円で、昨年1月の639円から70%近く値上がりしているそうです。(財務省貿易統計より)

僅か1年半の間に価格が1.7倍というのは、まさしく尋常ではない高騰ぶりですが、何よりその影響をまともに受けるのは、このOG羊肉を仕入れ、ジンギスカンとして消費者に提供する飲食店と言えるでしょう。


日本でジンギスカンといえば、何と言っても北海道が有名ですが、当地信州の長野市信州新町も、知る人ぞ知るジンギスカンの名店が集まる地域です。

その信州新町の老舗ジンギスカン専門店の経営者は地元新聞の取材に対し、「羊肉の仕入値上がり分をメニュー価格に転嫁したいところだが、それをするとお客さんが離れてしまうので、利幅を抑え自社で負担するしかない」と話しています。

この記事によれば、他のほとんどの信州の同業者も、仕入れの値上がり分を売値に転嫁せず、他の食材や飲み物とのセットメニューの提供や、経費節減などの自助努力によって、この価格高騰を解消しようと考えているようです。

信州新町の観光協会では、以前からジンギスカン料理店が立ち並ぶ国道19号線沿いを「ジンギスカン街道」と名付けて観光PRを行っていますが、その店のほとんどが現在このOG輸入肉を提供しているので、此度の羊肉高騰による各店舗の経営悪化や、地区自体からの客離れに大きな危機感を持っていると言います。

かつてこの信州新町では、多くの農家が羊を飼育し、直営牧場を運営する飲食店などもあったそうですが、飼育コストがかかり過ぎるため、割安な輸入肉に徐々に切り替わり、現在では6軒が約500頭を飼育する規模に縮小しているとのことです。

しかし、そんな環境下ではあるものの、同協会では今月10月11日から「ジンギスカン街道キャンペーン」を約一ヶ月に亘って展開するそうです。

街道の加盟店で食事をしてスタンプを集めると、抽選で信州新町の温泉宿泊券などが当たるイベントなどを展開して、今一度信州新町のジンギスカンを知ってもらい、多くの人に訪れてもらおうとの試みだそうです。

行楽の秋、我が家の子どもたちはそれぞれの持ち場に帰ってしまいましたが、カミさんを連れ立って一度この街道キャンペーンに赴きたいと思います。


当地信州は、近年日本で行ってみたい観光地のベスト3に位置付けられるようになり、勇壮な自然をバックボーンとした地域性を活かし、信州新町のジンギスカンのみならず、蕎麦、リンゴ、山葵、地酒など信州ならではの特産物も広く知られるようになりました。

私らはこの地に住む県民の一員として、信州の良さを知ることはもちろん、豊かな自然と魅力を発信する各種イベントにも積極的に参加して自ら楽しみ、その楽しさを広く知っていただくよう協力する姿勢も持ち合わせていたいものだと思います。


「そういえば 北海道のジンギスカン
また食いに行きたいなぁ~」

小学生のときに行った北海道を思い出した次男が呟いた

「長野県にもジンギスカンの旨いとこあるんだぞ」

「えっ? どこどこ?」

「信州新町!」

「・・・って どこ?」

「・・・って 知らねえのか」

まだまだ教えなきゃならないことが山積みです