2013年2月28日

高齢化時代

「今回のショートステイは何日まで?」

「3月の7日まで 帰ったらすぐ信大で認知症のモニター検査です」

「そうか ご苦労さん いつもありがとよ」 

「どういたしまして 大事なお母様ですから(笑)」

「イヤミなやっちゃなぁ~ まあヨロシク頼むわ!」

「かしこまりました~(笑)」



現在我が家には、同居している私の母親と、隣に建つ実家にカミさんの両親がおり、カミさんが一人でこの三人の世話をしています。

言うに及ばず皆八十代半ばの後期高齢者で、二人の母親は要介護認定を受けており、父親は要支援認定を受けています。

私の母親は認知症による要介護1で、幸い身体的にはまだ元気なので、好天の日は散歩に行ったり、風呂やトイレも一人でできる状態なのである程度放っておいても大丈夫です。また、ショートステイなどに行くのも平気な人で、一ヶ月のうち半分は出かけてくれるので助かっています。

実家の父親もすっかり腰は曲がって杖を突いて歩く状態ですが、頭はまだまだしっかりしており、健康のためにと自ら一日一度は外に出て、スーパーのワゴンにつかまって店内を歩き回ったりしています。

三人の中では実家の母親が一番症状が重く、身体的障害により要介護3を受けており、寝たきりというわけではありませんが、家にいるときはほとんどの時間を床で過ごし、カミさんが介抱しなければ入浴も外出もできない状態です。

幸いウチのカミさんは2級ヘルパーの資格を持っており、以前は民間の介護施設で訪問ヘルパーの仕事を3年ほどしていて、もっと重症の高齢者の下の世話やら身体介護などの経験があるので、年寄りの身の回りの世話自体は何の苦もなくこなしてくれます。

とは言え、その三人の世話に加え、ウチと実家二世帯分の炊事、洗濯、掃除に買い物、そしてほとんど毎日代わる代わる連れ立っていかなければならない病院回りが、時間的にも体力的にも相当な負担となっています。

要介護認定を受けていることで利用できるショートステイやデイサービスに、私の母親を可能な限り行かせているのも、私が夕飯後の皿洗いから、洗濯、掃除なんかをかいがいしく手伝っているのにもこういった内情があるからなんです。

少子高齢化問題が叫ばれ出してからもう何年も経ちます。その細かい課題を語ることは本題ではないので触れませんが、間違いなく高齢化は今後さらに深刻さを増し、ほとんどの家庭が夫婦双方の親の介護問題を抱えることになるでしょう。

私と同じ立場の世の旦那様方は、多少仕事で疲れていても、介護の中心となる奥方の負担が少しでも軽くなるように、家の中で手伝えることはできるだけしてあげて、面倒くさがらずに奥方の話を聴いてストレスを緩和するように協力してあげましょうね。



そんな要介護認定を受けているお年寄りがご家族の中にいらっしゃるという方に一つ情報です。

ちょうど今、ウチの事務所も確定申告真っ只中の繁忙期ですが、要介護認定を受けている方が市町村長の障害者認定をもらえれば、所得税法上の障害者控除を適用することができます。

各市町村によって多少基準は違うようですが、当地松本市の場合、要介護認定1か2であれば普通障害者、3は状態に応じて普通か特別のいずれか、4か5なら特別障害者の認定となるようです。

例えば私は要介護認定1を受けている同居の母親を所得税法上の扶養家族としていますが、障害者認定を受けずに同居老親の老人扶養控除だけを適用すると58万円の所得控除ですが、先の市町村認定を受ければ、普通障害者控除27万円も適用されるので合計85万円の所得控除額になります。

また特別障害者の認定を受ければ、まず特別障害者控除40万円が適用となり、さらにその親御さんが同居老親に該当すれば、老人扶養58万円+同居特別障害者加算35万円=93万円の扶養控除となり、合計133万円の所得控除が受けられるのです。

老人ホームなどに入所していて別居の場合であっても、特別障害者控除40万円と別居老人扶養控除48万円の合計88万円の所得控除額となります。

年収500万円のサラリーマンの場合で普通障害者控除が適用になれば、所得税、住民税合わせて約5.5万円、同居特別障害者なら同じく約15万円、別居特別障害者でも約8万円の税負担が軽減されます。

会社の年末調整で既に扶養する親御さんを老人扶養控除だけで計算した方でも、障害者認定を受けられれば確定申告をして税金を取り戻すことができます。

仮に要介護認定を受けているご本人に、不動産収入や年金収入による一定の所得があって確定申告している場合でも、もちろんご自身が障害者控除を適用できるので、その分税負担が軽減されます。

以上のように障害者控除はその背景から控除額も多く、扶養する方々の税負担を大きく軽減してくれるので、該当する方は控除もれのないようにしましょう。


なお、市町村長の障害者認定は、ご家族の方いずれかがお住まいの市町村役場の高齢福祉課の窓口に行って、口頭で対象者の住所、氏名、生年月日などを申請すれば、何の手間もなくその場で無償で発行してくれます。

要介護認定を受けている親御さんがいらっしゃる方は、これからでも市町村長の認定を受けて、障害者控除を適用して還付申告されることをお勧めします。

ご不明な点やご相談があれば、当方までお気軽にご連絡下さい。




「おふくろの障害者認定すぐ下りたよ」

「へ~ホント~… で? どうなるの?」

「おふくろの場合普通障害者だから27万円の控除だな」

「すごいじゃん! 27万円も税金戻ってくるんだ~」

「・・・・・・」


色んな意味で頭の下がるカミさんに いつも感謝です(笑)


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