「おいおい なんでロスタイム4分もあんだよ?」
「ヤバいじゃん・・・」
嫌な予感が的中 同点に追いつかれる
「ありえねー!!」
「ちょっとPK戦途中じゃん! 何で放送終わっちゃうの~?」
「・・・ホント ありえねー!!」
大掃除の手を止めて カミさんと娘と共にしばしTVに釘付けになっていたが
ありえない展開の連続で疲れ切ってしまい・・・ あとは来年回しに・・・
全国高校サッカー選手権、わが母校と滋賀県代表野州高校との対戦は、後半20分まで4対1でリードしながら、残り20分プラス信じられない長さの4分というロスタイムの間に、結局5対5の同点に追いつかれてタイムオーバー、そして誰もが「入れてくれー!」「止めてくれー!」と食い入るように見つめながら、3人ずつ成功というまさに緊迫した場面で放送が終了してしまうという前代未聞のPK戦の末、どうやら14年ぶりの初戦突破ははかなくも夢と消えたようだ。
とりあえず今春娘が卒業してすでに直接的な関連はないとは言え、キーパーが中学時代の同級生の息子だったり、昨年のPTA仲間の息子がメンバーだったりと、やはりまったく無縁ではなく、自然と力が入ってしまう母校の試合だというのに・・・まったく言いたいことは山ほどあるが、まあ終わってしまったことを愚痴っても仕方ない。
それにしても昨年の大晦日は、同じ選手権の母校の試合を寒風吹きすさぶ埼玉スタジアム2002で応援していたんだなぁと、画面を観ながら感慨深く思い返していた。
一年は早いなー ホント早い・・・誰も待ってはいないだろうが、今年も我が家の重大ニュースを公表する日がやってきた。
「娘に初彼氏出現!」
今年4月に専門学校に進み、東京蒲田で一人暮らしを始めた彼氏いない歴18年の長女に、なんとなんと初彼氏ができたとのこと。オヤジとしては正直複雑な思いもあるが、いい恋愛は人間を成長させてくれるものと信じ、そして我が娘の男を見る目を信じ、余計なことは言わずに見守ることとした。
しかし、夏に息子二人を連れて飲みに行った席、カミさんの携帯に送られていた妹の彼氏の写メをみた兄貴二人は、口をそろえて『こりゃないわ』って・・・おいおい不安なリアクションとるなよ・・・と忸怩たる思いを不自然な笑みで隠しながら、まあ写真写りはともかく、娘が好きになる男なんだから大丈夫・・・なはず・・・と、自分を納得させる日々を過ごしていたのである、否、いるのである。
「ワンピースを大人買い」
暮れも迫った師走のある日、いつものように家で一杯飲りながら、大ベストセラーとなっているおなじみのアニメ『ワンピース』の前日発刊された第60巻が、あっという間に全国で1,500万部も売れたという、その日車中のラジオで聞いたニュースを何気なく次男坊に話したところ、それまでもくもくと飯を食っていた息子が急に目を輝かせながら、ワンピースはストーリーが本当に奥深いんだと熱く語り始め、これは大人子どもに関係なく絶対感動するからお父さんも読んだ方がいいなどと、NTTコミュニケーションズ代理店の営業さながらの語り口で薦められ、その勢いとこちらのホロ酔い気分も手伝って、1巻からその60巻までの新品セットをネットで購入することになってしまった。
ファンの方からは「あんた読んだことないの?」と逆にお叱りを受けそうだが、私は二十歳を過ぎた頃から、マンガにはほとんど興味がなくなっており、ワンピースはもとより、ドラゴンボールもこち亀もまったく手にしたことがないのである。
そうこうしているうちに、年末大掃除に入ってしまった私は、30日に届いた段ボール一箱のその珠玉の単行本60冊には全く手つかずでいるのだが、粗方の予想通り、してやったりの次男坊を筆頭に、帰省した長男長女も大掃除の手伝いもそこそこに、それどころか本来大好物なはずの年末お笑い特番にさえ目もくれず、三人そろって無言のまま朝方まで読みふける年末になってしまったようである。
呆れ顔のカミさんが一言
「ホント 迷惑なお年玉あげたもんだわ・・・」
・・・まったく返す言葉もない
「銀婚式にサプライズ」
今年9月のコラム(アニバーサリー)でも触れたように、私ら夫婦は今年結婚して25年目の銀婚式を迎えた。だからと言って改まって二人で何かしたわけでもないが、これまた年末に思わぬサプライズが待っていた。
毎年恒例、家族全員がそろい、互いの両親も招いて、ちょうど紅白歌合戦が始まる頃から行うお年とりの宴席を始めようとしたそのとき、2階から下りてきた次男が唐突に私の前にきれいにトッピングされた小箱を差し出した。
そして一言 「銀杏式おめでとう!?」
カミさんと私は顔を見合わせ一瞬の沈黙、そして家中が爆笑と歓声に包まれた。
小箱の中身はというと、子ども三人の名前が入った「銀婚式おめでとう!」の素敵なメッセージカードが添えられた、センスのいいシックなカラーの切子のペアグラス。
おそらくは9月のコラムを読んだ長男が仕組んだ子どもたちからのプレゼントだった。
まったく予期せぬサプライズに私ら二人は大層感激し、もし長男の描いたシナリオ通りにことが進んでいれば、私もカミさんも思わず涙ぐむなんてシーンが観られたのかも知れないが、次男が兄貴から演出を指示されたときに「ぎんこん」を「ぎんなん」と聞き間違えたのか、それともいざセリフを発したときに「ぎんこん」を「ぎんなん」と言い間違えたのかはともかく、そのいかにも次男坊らしい最強のNGが、全員を感動の渦以上の笑いの渦に巻き込んでしまったのである。
しかし、手前みそな話で恐縮だが、そんな演出もアドリブもすべて含めて、私ら二人がどんなに心癒され、こどもたちに感謝したかは言うまでもない。
みんな優しい人間に育ってくれて本当に嬉しい限りである。
子どもたちが次々と巣立って行き、夫婦二人だけの時間が再び増えつつある年代に差し掛かり、これからの人生をいかに過ごしていくかを二人で考え、話し合う機会も増えてきました。
また大人への階段を上りつつある子どもたちとの話題は、恋愛や結婚を通した家族のあり方みたいな話、そして夢や仕事を通した生きがいみたいな話が明らかに多くなってきました。
そんなやり取りを通して、子どもが成長すればするほど、私自身が大人として、男として、改めてきっちり生きていなければならないと思うと同時に、親である私ら夫婦が、健康で人生を楽しんでいることが大切であることを子どもたちに認識させてもらいながら、また今年一年をじっくり振り返ることができました。
そして今年もまたこれを書いているうちに年が明けてしまいました。
2011年が良い年になることを祈念して、焼酎のお湯割りでも舐めながら『ワンピース』とやらを開いてみることにします。
今年も一年間ありがとうございました! 皆さん 良いお年を!
「ぎ、銀杏式って言った?」
「え? なに?」
「銀婚式だよ」
「・・・だからそれって なに?」
「エエーッ!?・・・おまえは・・・まあいい とにかく ありがとう!」
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