「おっ!いいキーホルダー持ってるねぇ・・・PRADAっての?」
「ああ・・・それ元カノから貰ったヤツだよ」
「元カノって・・・よくもまぁ抜けしゃーしゃーと使ってるなぁ」
「なんか問題ある?」
「問題あるって・・・そんなの使ってて今の彼女は何も言わないの?」
「・・・関係ねぇんじゃね?」
「ねぇんじゃね?って・・・普通そういうのはお前
別れたときに『バカヤローッ!』か何か叫びながら
海とかに向かって投げ捨てるってもんじゃない?」
「・・・それっていつの時代の話?」
「お父さんの青春時代の話だよ」
「古っ! 今は『ラッキー!』か何か言いながら
リサイクルショップに持ってって売りとばすってモンでしょ」
「・・・上手いね」
何とも情緒ってものが足りない世の中になったものです・・・昭和生まれのオヤジにとっては、息子達の言動には理解に苦しむことが何かと多い昨今ですが、とりあえずウチの息子が元カノから貰ったブランド物のキーホルダーを未だに使っていることは置いといて、今回はこの『ブランド』についてちょっと考えてみたいと思います。
“ブランド”とはもともと家畜に「焼印をつけること」を意味する “brander” というノルウェー語から派生したものだと言われており、現代では「他と識別するためのしるし」という意味を持つようになりました。
サザンオールスターズの往年のヒットナンバー「ミス・ブランニュー・デー」の“ brand-new”は、「真新しい」という意味で用いられていますが、「焼印を押したばかりの」という形容がもともとの意味のようです。
一般的にブランドというと、アクセサリーやアパレル関係、また自動車業界などの大手一流メーカーの会社名がそのままブランドとして認知されることが多く、これらは世界的に“NB”(ナショナルブランド)などと呼ばれています。
しかし近年ビジネスの世界におけるブランドという概念はかなり様変わりしてきました。
みなさんも最近新聞紙上などで頻繁に“PB(プライベートブランド)”という文字を目にすると思いますが、これはスーパーなどの小売業者が独自の製品を開発し、それらの製品にやはり独自のブランドネームを冠して販売するというもので、例えばイオングループの「トップバリュ」などが有名です。
また先月の日経MJ(旧日経流通新聞)には、全国有名百貨店やスーパーで青果仕入れを担当するプロのバイヤーを対象に実施したアンケートで、長野県産のリンゴとナシがそれぞれ日本一のブランド評価を得たという記事が載っていました。
これは信州に住む私たちにとってはとても嬉しいニュースなのですが、リンゴ部門で1位になった「長野シナノスイート」は、“ふじ”と“つがる”の交配品種で、果汁が多く、ほどよい甘みと少ない酸味で何よりその『味』が評価されてトップになったということです。因みに第2位には「安曇野林檎」がランクインしており、我が信州が金銀独占という何とも誇らしい結果となりました。また、ナシ部門で1位になった「長野南水梨」は“越後”と“新水”の交配品種で、糖度が高く貯蔵性に優れているという特色も評価されましたが、やはり『味』の評価で群を抜き、知名度ではNo1の鳥取「二十世紀梨」を抑えての堂々トップという結果になったそうです。
このように現代は、社会や顧客のニーズに基づいた研究開発に力を入れ、そこから独自のアイディアを生み出し、その製品化、システム化に向けた飽くなきチャレンジを繰り返すことによって、リンゴの一つ、ナシの一つでも“一流ブランド”と認知されるような可能性のある世の中になりました。
ここに大きなビジネスチャンスを感じませんか?
先の家畜の焼印にあるように“ブランド”の根本は「他との識別」という意味ですが、これは現代ビジネスの世界で言えば、巷でよく耳にする「他との差別化」に値します。
要するにウチには他社とは違う魅力、強みがあるということです。
しかし、ただ単にオレ達は差別化を図っているぞという自己満足の一方通行では当然“ブランド”には成り得ません。その違い(付加価値)を世間に認識せしめ、その確実性を世間に信頼されて初めて真の“ブランド”として認められるのです。
厳しい経営環境を強いられている今だからこそ、その業種や規模に関わらず、自社のプライベートブランド(他社に負けない強み・自社ならではの付加価値)を追求し、これを認知せしめる施策に経営資源を集中することが最も必要なことかもしれません。
私達も当事務所の提供するビジネスモデルが“川崎会計ブランド”として認知されるべく、試行錯誤を繰り返しながらその確立を目指して真剣に業務に取り組んでおります。そしていつか『会計事務所』という職業の世間の認識を、もうワンランク上の次元に持っていけるようなスキルを備えた事務所に成りますのでどうぞご期待下さい!
「お父さんのキーホルダー年季入ってるよねぇ・・・どこの?」
「ジャスコの1,980円だけど・・・何か問題ある?」
「問題あるって・・・何年使ってんの?」
「もう5~6年かな? でもお前にこの“照り”とか“熟れ”ってのが分かるかなぁ?」
「・・・うん! シブいよね」
「ほぅ分かるか・・・このしっくりくる安心感がホントの“ブランド”ってやつさ」
「・・・そういうもん?」
「あぁ そういうもん!」
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