2008年2月29日

結論が先!

「お前免許の更新行ったの?」

前々から冷蔵庫の扉に貼ってあったカミさんの免許更新の案内のことが気になって訊いてみた

「今日おじいちゃんがさ~お昼食べに行くって言い出して、もう忙しいのに山形村まで乗せて行ってきたんだよ。最近急に思い立って電話してくるからホント困っちゃう・・・それにおばあちゃんも寒い寒いってまったく・・・」

「あのさ、その話は後でゆっくり聴くけど
俺はね免許の更新に行ったかどうかって訊いてんだよ?」
(まったく先に結論を言えよ結論を) 

「だから行けなかったって~」
(話聞いてりゃ分かるでしょ)

「“だから”って何“だから”って、誰も理由なんて訊いてないでしょ」
(そういうのを余計な言い訳っていうんだよ)

「ハイハイハイハイ・・・分かった分かったどうもすんませんね!」
(あーうるさいオヤジ)

永い夫婦にありがちな(腹に一物の)ジャブの応酬となってしまった・・・



さて、今月2月は皆さんもご承知とは思いますが、確定申告のピークで事務所は最繁忙期に突入しており、おかげ様で私たちも毎日ヒーヒー言いながら遅くまで仕事をさせてもらっています。
従って、昨年のこの時期は、その忙しさにかまけてコラムを更新できませんでした。今回も危なかったのですが、ラッキーなことに今年は閏年で2月がいつもより1日多いのが功奏し、何とかギリギリ更新することができそうです 

と・・・これを言い訳といいます。

「どうして?」と誰かに聞かれたわけでもなく、しかも、忙しかろうが遅くまで仕事をしていようが、そんなことは他人にはまったく関係のないことなんですね。一般的に「言い訳」というのは相手にとってはあまり聞きたくもない、自慢話の次に耳障りなものかもしれません。

しかし、私たちは普段話をするとき、実はこういった自分勝手な言い訳を中心に会話をしていることが意外と多いことにお気づきでしょうか。私を含め世の中のほとんどの人は、自分が責められる立場になることが苦手なので、自分を守るため、或いは自分は悪くないという立場に持っていくための言い訳を無意識のうちに探してしまう傾向があるようです。話の中で「自分だって」とか「私なんか」などの言葉をよく発する人は、特にその傾向が強いとも言われます。まあ気持ちは分かりますが、こういった傾向が習慣化してしまうと、場合によっては単なる言い訳が「嘘」に発展することもありとても怖いことです。

ビジネスの世界では、言うまでもなくこの傾向が強い人は致命的です。顧客のために企業として動く上では、それこそ一個人の「言い訳」なんかはまったく不要で、できなかった「原因」を分析して再発を防止することが最優先されなければなりません。厳しいようですが、個人的な事情や理由ばかりを主張してしまう傾向が強いと、周囲からの信頼を得ることも、能力を認められることも難しいのではないかと思います。


「まず結論を先に言いなさい。理由は『どうして』って聞かれたら言えばいい」

つまらない「言い訳」がすぐに口を突いて出ないように、私が家族にいつも言うことです。 勿論私もそうしようと意識しています。「結論を先に言う」ことは、聞かれたことに真っ直ぐに答えるということです。日常の会話を振り返ってみると、最初から理由は分かっていたり、それは二の次ということが結構あるように思います。家庭や職場でのちょっとした争いや誤解は、言わなくてもいい言い訳が原因ということもよくあるのでないでしょうか。

先ずは結論をはっきりさせることが、スムーズな会話の成立と、すっきりと次のステップに進む意識に繋がるのではないかと私は思います。



先日学校から帰宅した娘がモジモジと話しかけてきた

「お父さん・・・今日部活の準備してるときに友達とぶつかっちゃってさ~
別にふざけてたわけじゃないけど相手の足がまともにここに当たったもんだからジャージのポケットに入れてたiPodのイヤホンの先が折れちゃって・・・
アタシ買いに行く時間ないから・・・」


「それって『イヤホン買って下さい』だけで終わる話だろ!」


・・・なかなか難しい